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2009年6月29日 (月)

「闘争人~松田直樹物語~」を読んで

私がサッカーに興味を持つようになったのは2000年頃です。試合の半券を集めると日韓W杯のチケットが当たるという企画があり、流行物に弱かった私は一番近かった横浜国際に通うようになりました。そこで少しづつサッカーと横浜Fマリノスが好きになりました。そして翌年の2001年。マリノスは前年のステージ優勝が嘘のような低迷に落ち込み、なかなか勝てず、引き分けでもいいと思うと無残にも勝ち越される、そんな試合が続きました。

ある試合の後、やはり負け試合でしたが、ゴール裏に挨拶に来た選手の中に、耳を塞いで挨拶もそこそこに立ち去る一人の選手がいました。その時ゴール裏は罵声ではなく、何とか次は勝ってくれ、この苦しい状況を打破してくれ、そんな思いを込めたコールをしていたと思います。耳を塞ぐ姿からは、そんな励ましがつらい、期待に添えなくて悪い、何より勝てないのが自分自身悔しい、そんな気持ちが伝わってきました。それ以来、私の中で松田直樹という選手は忘れられない選手となったのです。

先日、その松田直樹のこれまでのサッカー人生をまとめた「闘争人~松田直樹物語~」という本が出版されました。サッカーを始めた少年の頃から、日本代表としての最盛期、復活を遂げた昨シーズン、そして今シーズンへの意気込みまで、読みやすい物語形式で松田直樹の半生が語られています。

読みやすい文章に一度読み出すとぐいぐいと引かれていきます。初めて知る事も多くありました。

小学6年の時、松田はリフティングが16回しかできず、相生中でプレイした中学2年まではベンチ入りがやっとだったそうです。後に日本代表のキャプテンマークを巻く事になる選手にしては本当に平凡なキャリアの始まりです。そんな松田が中学3年でFWとして頭角を現し名門前橋育英に入学します。監督の山田耕介氏との出会いは松田の運命を変えました。国見高校を強豪に育てた小嶺氏率いるU-15日本代表に推薦され、本人の手ごたえに反して代表に定着していく。ポジションはFWからDFへ。サッカー選手にとっては自身の才能以上に、よき指導者との出会いが大切なのだと感じさせられるエピソードです。もちろん幸運だけでは一流の選手になることは出来ません。一度掴んだチャンスをしっかり自分に引き付けておく。そのための努力を怠らない。そして何よりも負けるものかという強い”闘争”心・・・

U-17代表を経て、松田は1995年には横浜マリノスに入団します。井原、小村という名DFに刺激を受けつつマリノスの主力選手に育つと同時に、年代別代表、そしてA代表でも欠かせない選手になっていきます。この辺まで読み進めると、本書の内容は松田直樹の物語というだけでなく、サッカーファンとしての自分自身の物語とも重なってきます。ページをくるたびに、自分自身の記憶が甦ります。

2001年のマリノスの低迷。それに反するかのようにトルシエジャパンのレバノンでの忘れえぬ戦い。
2002年日韓ワールドカップの高揚。
2003年、2004年、岡田マリノスでのリーグ連覇。退屈なジーコジャパンとの決別。
2005年から続くマリノスの苦しいシーズン。

本書を読んで改めて松田直樹という選手の浮き沈みは、日本代表とマリノスの浮き沈みに見事にシンクロしていることに気づきました。そして、それをスタジアムで共有できたこと/今も共有していることは私自身にとっても素晴らしいことだと改めて思い知らされました。

本書に唯一の不満があるとしたら「俺はJリーグ最大の問題児でした」とある自筆の帯です。

なぜ過去形なのでしょうか?なぜJリーグに限定するのでしょうか?マツはまだまだ日本サッカー界最大の問題児であり続けてくれなくては困る。自分に怒り、味方に怒り、スタッフに怒り、その怒りをポジティブなパワーに変えていって欲しい。後に続く選手達の良き(?)見本になってくれなくては困る。”闘争人”松田直樹の物語をまだまだ続けてもらわなくては困る。

もちろん、それは松田らしからぬ謙遜なのでしょう。昨日行われた横浜開港150周年記念ユニでの節目の試合で、松田は前半20分に抑えの効いたボレーシュートを決め、2004年以来、6シーズン連続でリーグ戦ゴールを記録しました。指輪にキスをし、エンブレムを掴んだ瞬間に後輩である栗原選手に手荒い”祝福”をされてしまいましたが、まだまだやってくれると確信しました。永遠の”闘争人”松田直樹を見に、そして自分自身の物語を綴りに、また今週末もスタジアムに足を運びましょう。それは何と幸せなことでしょう。

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